ワシはメロディーじゃ。名前はない。本当のことを言うと、意識すらない。ならば、どうして文章が書けるのかって?それはのー。これがヨタ話だからじゃー。わっはっは。ワシは交響曲の中にいる。バイオリンが弾くメロディーなんじゃ。今となっちゃー、誰がワシを作曲したか分からんが、偶然、ワシを聴いた奴が曲の一部に使ったんじゃ。いつもは楽譜の中に寝ておるワシも、演奏会では現実の世界に飛び出すぞ。やっぱりワシは若いおなごのバイオリン弾きに演奏してもらう方がええのー。なんじゃと?ワシがエロじじいじゃと?何を言う!その通りじゃ。わっはっは。すまんのー。このキャラが面白いと思ってのー。もう読まんでもいいぞ。とりあえずワシが好きな詩でも披露するかの。この詩から音楽が創られた。音楽は新たな道を切り開いたとも言われておる。

音楽の中には難しいものがある。じゃがの、絵や詩からインスピレーションを受けて作曲された音楽は分かりやすい。元々ヴィジュアル・イメージを持っておるからのー。巧みに創られた音楽ほど、鮮やかなイマジネーションが広がり、聴く者を素晴らしい世界へと誘うぞ。百聞は一見にしかずとは良く言ったもんじゃ。音楽を聴いたらヴィジュアル・イメージがあってもなくても、頭の中に何かしらのイメージが沸き上がるから、それを広げて楽しむことも出来るのー。ワシは若いおなごとイチャついている妄想が一番じゃ。わっはっは。すまんのー。

ワシは交響曲の中にいる。ワシがいる作品を喩えるなら音楽の惑星じゃな。作曲した奴は、自分が死んでから住むための惑星を、まるごと音楽で創ったんじゃ。この惑星は人類が滅亡でもしない限り消えたりせんじゃろう。ワシは永遠の命を持ったんじゃ。こんな老いぼれでも、時を越えて、瑞々しい音で現実の世界に飛び出して行けるんじゃ。じゃがな、ワシには名前がない。意識すらない。ワシはただのメロディーじゃから。