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天地無用

Mahler: Symphony No. 3

マーラー交響曲第3番

ベルナルト・ハイティンク指揮、シカゴ交響楽団

CSO Resound
2007年録音

CSO Resound - Mahler: Symphony No. 3 - Chicago Symphony Chorus, Bernard Haitink, Chicago Symphony Orchestra & Michelle DeYoung
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 漆黒の闇が広がる空間に輝く宝珠。青碧の大気。群青の海。木蘭、萌葱、翡翠、あまたの色が綾なす大地。これほどまでに美しい色彩に、神の技を見いだすのは自然なことだろう。他の何者が創り上げるというのだ?

 野には四季を通じて万華鏡のように花が咲き乱れ、艶やかな木の実が豊かに実る。

 昆虫が万緑の森に飛び交い、動物が駆け回る。

 生きる意味を考える者たち。彼らは自らをアンの民と呼ぶ。森で動物を狩り、木の実を収穫し、海で漁をして平和に暮らすアンの民。しかし、悪がアンの民の中から現れる。彼らは自らをデモの民と呼ぶ。デモの民はアンの民に攻撃を仕掛け、略奪をし、殺戮を繰り返す。豊かな世界は荒れ果てる。それでも、生き残ったアンの民は助け合って平和に暮らす。デモの民が略奪しようとしても、戦う術を身につけたアンの民が追い払う。世界は豊かさを取り戻す。皆は天の声を聴いた。永劫回帰から抜け出し、再帰できるのは神だけなのだ。

 悪とは何か?戦いとは何か?この世に悪は栄えない。しかし決して悪は滅びない。たとえ悪を滅ぼしたとしても、いつか必ず悪は現れ、戦いを忘れた我らを滅亡へと導く。調和するしかない。

 アンの民とデモの民は混じり合ってオムとなった。オムは海を渡り、陸地を伝って各地へ散らばり、激しい戦いを繰り返す。それでも、オムは他の生命と共存しながら繁栄を続けている。ああ、聴こえる。惑星のハーモニーが、生命によって奏でられるシンフォニーが。地球は奇跡の星ではなかった。素晴らしい。宇宙は生命で満ちあふれているのかもし

「これがエリダヌス座イプシロン星から帰還した系外惑星探査衛星で見つかった文章です。搭載していた人工知能AIーLVUが、太陽電池パネルの上にアームで傷を付けて書いたのです。残念ながらAIーLVUは機能を停止し、すべてのメモリーが破損しているため、これ以上の情報は残っていません。AIーLVUは壊れゆく自身を感じながらも、地球にいる我々に何かを残したかったのでしょう。エリダヌス座イプシロン星には、大きく歪んだ楕円軌道上を公転する、巨大なガス惑星が確認されています。巨大惑星の重力は他の惑星の軌道を乱すため、他に惑星が存在しても、海を持つような地球型惑星は存在しないと考えられていました。しかし、もしAIーLVUが最後まで正常に機能していたのなら、AIーLVUが見た夢でないのなら、人類が生存できる環境を持った未知の惑星があるのかもしれません。小惑星が地球に衝突する日が近づいた今、選択肢は多くありません。AIーLVUを信じてみるのも一計かと思います。各国代表の皆さん、どうでしょう?」